さり海馬

Thoughts walk away, blog stays.

「月の影 影の海」読了

月の影 影の海(下) (講談社文庫)

月の影 影の海(下) (講談社文庫)

月の影 影の海(上) (講談社文庫)

月の影 影の海(上) (講談社文庫)

何の取りえも無い女子高生が、半ば強引に異世界へ放り出される、といういわゆる「上がりモノ」の典型的な設定を用いた話ではある。だが、主人公をいじめ抜く具合が絶妙で、その心が荒んでいくありさまを非常に細かい筆致で描いている。そこらへんが絶妙。

下巻の解説にもあるが、天の意思によって治められる世界というものを、非常に皮相的な観点で描いている。そうしたヒネ具合が、実は自分にもよくフィットするなぁ、と思う。

実はこれが小野不由美初体験だったりする。続きを読もう。