さり海馬

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「志ん生長屋ばなし」「びんぼう自慢」読了

びんぼう自慢 (ちくま文庫)

びんぼう自慢 (ちくま文庫)

長屋ばなし - 「火焔太鼓」「三軒長屋」など、志ん生の十八番と言われる演目が収録されているのがこの巻、だそうだ。確かに面白い。語り口の軽妙さが行間から伝わってくるようだ。純粋に噺の面白さという点からすると、「三軒長屋」が一番だと思った。いよいよもって寄席に行きたくなってきましたよ。

びんぼう自慢 - こちらは志ん生の自伝。これまでの「志ん生●●ばなし」のシリーズを読んできて感じていたことが、この本を読んだおかげでストンと納得がいった。どうしてああも長屋の描写が活き活きしているのかと思ったら、この人は本当に貧乏をしてきたのだな、と。いや、殆どは自業自得なんだけど。「芸はあるけど頑固と酒でしくじった亭主、それ泣き言一つ言わずに支える出来た嫁さん」という、落語を地で行くような生涯。

巻末に年表が載っている。それを見て初めて知ったんだけど、例の「ネジネジ」で有名(笑)な中尾彬の嫁さん池波志乃は、志ん生の孫にあたるのね。ふむぅ。

次は「なめくじ艦隊」か、シリーズで唯一読み残している「志ん生人情ばなし」だな。