さり海馬

Thoughts walk away, blog stays.

Shadowrun, Sixth World Developer's Review が掲載されました

http://www.shadowruntabletop.com/2019/05/shadowrun-sixth-world-developers-notes/

 

…というわけで、ざっと翻訳。

Shadowrun, Sixth World がやってくる!

ちょいまち。Shadowrun, Sixth World はまだ発売されてないって? でも僕はもう何年もこいつのことを考え続けてきたんだよ! 1年以上もプレイして来たしね! 他のみんながまだプレイしてないなんてどういうこと? ディベロップ期間って本当に混乱するよね。

 

その昔――具体的に言うなら6年前――僕は僕の目の前で Sixth Edition って単語を使った奴はみんな肉体的暴力で脅してやると言っていた(この脅しは通用しなかった。誰も僕のことを怖がったりしなかったんだ。ああ、本題から逸れてるね)。 Fifth Edition を作り出すのには相当な苦労があった。あれを丸まる最初からやり直すなんて、僕には考えたくもなかった。それから2~3年は、新しい版のことを考えずに過ごしたから、僕も充電することができた。実はこれ、全面的に真実というわけじゃない。というのも、僕がプレイするときにはいつも――製作中のものでなくても――新しい版の可能性について考えていたからだ。何がうまく行って、何が想定外の結果になるのか、そしてどこをどう弄るとどんな可能性が開けるのか、考えていた。だから次のシャドウランのことを心に描く時期が来たとき、僕には多少のアイデアがあった。それに、力を貸してくれる優秀なシャドウランのライターたちや、ゲームマスターたちもいたからね。

 

当然だが、こうしたすべてのアイデアには枠組みが必要だった。仕事に取り掛かるときに、シャドウランの第六版が持つべき品質として、この三つを決めた:

  1. 300ページ未満であること
  2. 六面ダイスのダイスプールを使うこと
  3. シャドウランらしいこと

最後の二つは関連している。何せシャドウランらしいゲームにするなら、大量のD6を振らない訳には行かなかったから。でもそれ以上に大事なこともある。戦闘のスペシャリスト、呪文使い、招霊術の使い手、アデプト、フェイス、デッカー、テクノマンサー、リガー、呪付術師、ウェポン・スペシャリスト、その他もろもろが存在してなきゃならない。そしてみんなが、意味のある違った形でランに貢献できなければならないんだ。

 

この版では、そのすべてが300ページ以内に収まっていなければならない。そこが難しいところだ。第五版は、目次を除いても466ページある。第四版の20周年記念ルールブックは351ページだ。第三版は(キャラクターシートを除いて)325ページ、第二版はちょっと薄くて284ページだけど、バイオウェアもテクノマンサーも錬金術も載っていない。その期間の間にいろいろ変わったものの一部だけを挙げてみても、こんな感じだ。そしてすべての始まりになったルールブックは、さらに薄い207ページだけど、第二版から追加されたものが載っていない。例えばアデプトや収束具がないし、銃なんてたった20種類しかない。何という異端具合だろうか!(ちなみに第五版には52種類、Shadowrun, Sixth Worldには53種類ある。選べる銃を減らしたりはしなかった)。これがどういうことかというと、基本ルールブックを整理して300ページに抑えるのは、容易じゃないだろうってことだ。

 

大事なことだけれど、単純に本のページ数を切り詰めたところで、それ自体は何の役にも立たない。どんな本でも、3ページに1ページずつ切り取ってしまえば、短くすることはできる。でも、それじゃあ本の意味がなくなる。本を短くして意味があるのは、そうすることでよりスムーズにプレイできるようになる場合だけだ。別の言い方をすると、僕らはゲームを短くしたいわけじゃない。僕らが求めているのは、意味のある選択肢を数多く与えた上で、もっと展開が速くて、もっと簡単に没入できるゲームだ。それと、僕らはこれを Shadowrun:Anarchy にはしたくなかった。すでに存在しているものだからね。Anarchy が示しているのは、Shadowrun, Sixth World よりももっとルールを軽量化した先にあるものだ。この両者の違いを理解する手段の一つが装備に関するルールで、Anarchyでは7~8ページほどだが、Sixth World では 50ページになる。前に、たくさんの選択肢が欲しい、って言ったよね?

 

とにかく、これはこういうことだ。もしルールが変わるのなら、プレイヤーたちがやりたい事をもっと手早くできるような方向性を持ったものであるべきだ。戦闘はより素早くするべきだ。ハッキングはよりスムーズで直感的にできるべきだ、魔法は術者のやりたい事に適応しているべきだ。などなど。じゃあ具体的にはどうかって? じゃあその例を挙げてみよう:

  •  エッジを拡張する: そう。ゲームを整流化するために僕らがしたことの一つは、エッジの機能をもっと具体的なものにすることだった。でもちょっと待って欲しい。エッジの定義が変わったんだ。今度のエッジは、危機に陥ったときに限界を超えさせてくれる何か、ではなく、対立のある状況下で君が得ているアドバンテージを累積したものを表す。君が戦っているとき、呪文を行使しているとき、ハッキングをしているとき、交渉をしているときに、ボーナス・エッジを使うか、得るチャンスがある。そして君は、エッジを使うべきだ。 Shadowrun, Sixth World では、普段からエッジを得たり使ったりしないなら、戦術を考え直さなければならなくなる。エッジの消費と獲得は、ゲーム内での他の多くの機能を代替するようになっている。状況修正値の計算や、反動と貫通、環境修正の管理などがそれだ。またエッジは、使うべきときに使ってキャラクターがインパクトを出すこともできる。
  • 動作の種類を減らす: 動作の種類はマイナーとメジャーの2つ。それだけだ! 君は 1ターンあたりマイナー動作を1つとメジャー動作を1つ行うことができる。さまざまな状況(反応力を高める身体強化や呪文など)で、さらにもう1つ、マイナー動作を得られる。1つのメジャー動作は4つのマイナー動作と交換できるし、4つのマイナー動作は1つのメジャー動作に置き換えることができる。
  • イニシアティブを簡略化する: イニシアティブのダイスを振るのは、その遭遇の最初に1回だけで、振り直すことはない。ただし、何らかの動作や影響によって、イニシアティブ値が変化することはありうる。
  • リミットは無くなった: リミットは能力値のバランスを取ったり、さまざまなルール上の効果を出す機会を与えていた。だが、この整流化されたルールセットでは、リミットの必要はなくなった。ほとんどのテストと呪文のフォースについて、リミットは撤廃された。
  • 技能リストを縮小する: 第五版には80の技能があったが、第六版では19だ。これは大きな違いになる。これは決定的な整流化だが、これにはキャラクターが似たり寄ったりになってしまうというリスクがある。その対策として、プレイヤーは技能の専門化(Specialization)を選択でき、さらにアップグレードとして特化(Expertise)を選ぶことができ、ボーナスダイスとして+2ではなく、+3を得られる。そしてある特化をしたなら、もう一つ専門化を選択できるようになる。これやキャラクターを真に際立たせるチャンスを与えてくれる。
  • マトリックスをさらに直感的なものにする: これは現在も追及を続けている目標だし、マトリックスでの活動をそれ以外のアクションと平行して起きるようにしようと試みるのは、いつでも楽しいものだ。デッカーには意義のある仕事があるだろうし、マトリックスに入り込んで、事を起こし、そして脱出する――当然、そのすべてを、抜け目ない GOD の監視の目を逃れながら行う手段が用意されるはずだ。

大きな変化はここまで挙げたとおりだが、ほんの触りに過ぎない。Attack Ratingも、防具の使い方も、知識技能についての変更も、改良された呪文デザインルールも、ヴィークルの新しい能力値も、サイバージャックも、さらにもっとたくさんのことにまだ触れていない。新たにやってくる変化がどんなものか、この記事からその雰囲気を感じ取ってもらえるよう願っている。そして君たちみんなが Shadowrun, Sixth World をプレイしてくれるのを、自分がプレイできるのと同じくらい、楽しみにしているよ! あと、5月の毎水曜日には、新しい情報を載せるから、ブログをチェックしてみてくれ。

 

5月1日:発表
5月8日:製品概要
5月15日:開発者からの概要説明
5月22日:設定の概要/ストーリーの発表
5月29日:開発者によるQ&A
6月5日:リガー向け書類(?)
6月12日: Shadowrun at ORIGINS プレビュー