さり海馬

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クローンの作りやすさは「猫>犬」だが、その理由は…


「われわれはこの作業に2年半〜3年を費やし、基本的には(8月4日付)『ネイチャー』誌に発表された内容と非常によく似た結果を出した」とミッシープリシティー・プロジェクトに参加していたテキサスA&M大学の研究者の1人、マーク・ウエシューシン氏は述べた。「犬の難点は、生殖周期が予測できないことにある。それが犬でのクローニングをこれほど難しくしている」

クローン胚は、犬の発情期の間に子宮に着床させる必要があるが、犬の発情期は6〜12ヵ月に1回しかない。先日発表された研究は韓国で行なわれたため、緩い動物保護規制の下、科学者たちは非常に多くの犬を実験に利用することができた。ところでこの科学者たちは、純粋に科学的な目的のためだけに、クローン犬を作製したと述べている。

猫クローンが犬クローンよりも先に作られた理由は「発情期が分かり易いから」という理由なのだそうだ。科学的な困難さとは全く別の理由からそうなっているのが面白いなぁと思った。

あと、世界で最初に猫クローンを作った会社の本来の目的は、猫ではなくて犬(それも雑種)のクローンを作ることだった、そうで。


営利目的でのクローニングを始める前に、『ミッシープリシティー』というプロジェクトがあった。フェニックス大学の創立者で億万長者のジョン・スパーリング氏が、飼っていたコリーの雑種、ミッシーをクローニングで再生したいと望み、テキサスA&M大学の研究者たちに作業を依頼したのだ。そしてペットの雑種犬と別れるのは耐えられないという他の飼い主たちから大いに注目を集めたスパーリング氏は、会社を設立したのだった。

ところが、愛犬家のなかには残念がった人もいただろうが、GSC社の科学者たちが最初にクローニングに成功したのは犬ではなく猫だった。

皮肉なことだ。

将来的に「犬の発情期を正確に予測する手段」が発見されれば、続々と犬クローンが作られることだろう。

…ところで。人間の発情期(というか、着床可能時期)は、犬なんかよりよっぽど予測し易い。この理屈から行くと、ヒトクローンは犬クローンよりも作りやすい、という結論に。