Vehicle Control for Dummies:05a 遠隔制御・リガー制御のテストについて
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はじめに
"VC4D: Vehicle Control for Dummies"はシャドウラン5th Editionでのヴィークル制御関連の説明をする記事です。
今回は05a回、つまりちょっと予定から外れてAppendix(補遺)をしたいと思います。
さて、遠隔制御とリガー制御でヴィークルの搭載武器を使う場合、そのテストで使う能力値とリミット、ボーナスについては、ルールブックの記述が不明瞭だったり、互いに矛盾していたりして、間違いなく「これが正解」と言う事が困難だという、残念な状況が現在でも続いています。
ルールで明確にされていないため、さまざまな観点(設定からの一貫性、ルール的なバランス、その他)からそれを補おうという試みがなされていますが、やはり決定的な結論には至っていません。
さすがにこのままだとリガーが不遇ですし、プレイの妨げになり、いよいよリガーをやろうという人が減ってしまいそうです。そこで、いくつかの選択肢とその理由を提示して、プレイグループの中で選んでいただけるようにしたいと思います。
異論や別の観点からのコメントなんかがありましたら、コメント欄か、ツイッターの@tsgross1111までお寄せいただけると幸いです。
#シャドウラン #SR5 #VC4D
— thalion (@tsgross1111) 2021年3月13日
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結論:正解がないので自分で決めるしか
さしあたり、遠隔制御でもリガー制御でも、「プレイグループ内で話し合った上で、好きな組み合わせでテストして良い」とするのが楽だと思います。
「それではあんまり雑すぎる」というのであれば、いくつかある選択肢の中から、プレイ卓にあったものをみんなで選んでください。
それぞれ一長一短があります。それに選んだ基本能力値によってはリガーの成長計画に大きな差が出る可能性があるので、そのあたりまで考えて決断し、後から変更しないようにした方がいいでしょう。
この連載ではどうするのか?
さしあたり、遠隔制御、リガー制御とも
一律:〈砲術〉+【論理力】[センサー]
としておきます。そうでないルールを適用する方は、適宜読み替えてくださいね。
遠隔制御
遠隔制御は、専用コントローラーや、AR/VR上の仮想コンソールなどを用いた、ビデオゲームっぽい制御になると考えられます。
遠隔制御では以下のどれかを使うことになると考えられます。なお、分かりやすくするため、コムリンクの【データ処理】、VRなどの影響はこの際書かないことにします。
可能性のある選択肢は:
- ① 一律:〈砲術〉+【敏捷力】[精度]
- ② 一律:〈砲術〉+【論理力】[センサー]
- ③ 制御の手段で定まる:(物理的なコントローラ、ARなど)肉体が介在するなら①、(VRのように)介在しないなら②
- ④ 攻撃者の選択:センサーの照準支援機能を用いるのなら②、用いないなら①
- ⑤ 攻撃者の選択:①、②のどちらでも好きな方を選んでよい
能力値
①は【敏捷力】が基本となるという考え方です。私たちがビデオゲームをやるときは、確かにそんな感じがします。ARでも、実際の視界にオーバーレイする形で表示されるコントローラーを、手などで操作するイメージなら、同じことが言えそうです。
一方、完全に肉体を離れた状態であるVRでも、肉体を細かに制御するための能力値である【敏捷力】が利いてくるというのがちょっと不自然というのも分かります。
②は【論理力】が基本となるという考え方です。これは①とは全く逆で、脳の思考力の高さが正確な制御に利いてくるというものです。肉体が介在しないような状況では、こちらの方が妥当な気もしますね。
ゲームバランスという考え方からすると、①だと【敏捷力】がリガーにとっての必須能力値になってしまうというという問題があります。②の【論理力】は、もともとヴィークルの整備・改造などでも使う能力値のため、これを求められてもリガーへの負担はあまり大きくならないという面もあります。
リミット
①は武器の【精度】が常に使用されるべきという考え方です。ヴィークルの乗員と同じテストになるので直感的で分かりやすいのが長所です。
②はヴィークルの【センサー】常に使うべきという考え方です。基本的に遠隔制御では、ヴィークルのセンサーを利用して周囲の状況を知覚しているのですから、そういう考え方も妥当かも知れません。
ゲームバランス的な観点からすると、ほとんどのヴィークルの【センサー】が武器の【精度】より低めで、センサー改造ルールがない基本ルールの範囲では、①の方が攻撃者にとって有利になることが多いでしょう。②にすると、たいていは「不利な遠隔制御よりも、直に手で撃った方がいい」ということになりそうです。
リガー制御
リガー制御では、攻撃者はヴィークルを自分の肉体のように操れる状態になります。ジャンプ・インしての制御は完全没入型のVRが前提となります。
可能性のある選択肢は:
- ① 一律:〈砲術〉+【敏捷力】[精度]
- ② 一律:〈砲術〉+【論理力】[センサー]
- ③ 攻撃者の選択:センサーの照準支援機能を用いるのなら②、用いないなら①
- ⓸ 攻撃者の選択:①、②のどちらでも好きな方を選んでよい
といったところでしょうか。
能力値
最大の論点は「完全没入したVRの状態でも、【敏捷力】って意味があるのか?」になると思います。前述した遠隔制御のロジックを踏まえると、①と③は「ある」、②は「ない」とする立場ですね。
ゲームバランス上の観点についても、やはり遠隔制御と同じで、【敏捷力】を成長させる負担をリガーに負わせるかどうか、という点になるでしょう。
リミット
リミットについての論点は、前述の遠隔制御と同じです。
まとめ
- 遠隔制御・リガー制御で搭載武器を使った攻撃時のテストの能力値とリミットは、ルール上はっきりしない
- いくつかある選択肢の中から選ぶしかない
- 特に能力値は、リガーのキャラクターのビルドに少からず影響を及ぼすので、プレイする前にきちんと決めておくべき
次回予告
一回先延ばしにしましたが、次回は「直結」についてお話したいと思います。
前回以降、少々更新間隔が空いてしまっていますが、どうか気長にお待ちいただけますよう、お願いします。
でわでわ。