さり海馬

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「志ん生滑稽ばなし」「志ん生艶ばなし」読了

志ん生の噺 1 (ちくま文庫)

志ん生の噺 1 (ちくま文庫)

滑稽ばなしの方は、結構声色や動きで笑わせるものが多いので、是非寄席に足を運んで見てみたいものだなと思う。一番好きなのは「水屋の富」かな。「狸賽」も好き。私は志ん生という人の人柄を良く知らないのだけれども、貧乏が絡むようなお話を活き活きとやってるなぁ、という印象があります。

一方、艶ばなしの方はこう、ネタがネタだけに言い回しでうまく直接的な表現を避けていることがあり、文字だけでも結構楽しめる。噺の中では「疝気の虫」と「鈴ふり」がお気に入り。あと、ちょっと泣かす噺で「幾代餅」もいい。この巻に収録されている中で一番興味深かったのは「小咄春夏秋冬」だった。これは色々な噺のマクラに使う小咄を、春夏秋冬の季節ごとにまとめたもの。季節折々の風物に合わせて、気の利いたお話がたくさん入っている。お得な感じ(笑)。