日本の医療ってどうなってしまうんだろうか
いまさらですいませんが、さすがに暢気な俺も引きますよ、というお話。
東京都から早産などハイリスクの妊産婦を24時間体制で受け入れる「総合周産期母子医療センター」に指定されている愛育病院(中林正雄院長)が、複数の医師による当直が困難なことなどから、都に指定の解除を打診したことが25日、都や病院への取材で分かった。
愛育病院は必要な医師数が少なくて済む「地域周産期母子医療センター」への指定見直しを希望し24日、都に意向を伝えた。都は医療体制に大きな影響が出るため、病院側と協議している。
愛育病院によると、15人の産科医のうち3人が子育てなどのため夜間勤務ができないという。
今月中旬、三田労働基準監督署は労働基準法に基づく労使協定(三六協定)を結ばず、医師に長時間労働をさせていたとして、是正を勧告。これを受け病院側は「各医師に法定の労働時間を守らせると、医師2人による当直は難しい」(中林院長)と判断した。
愛育病院って聞き覚えがある名前だな、と思っていたら、秋篠宮紀子様が悠仁親王をご出産されたとこだよ。おいおい、そんなセレブな病院すらこんな有様なのか…。
最後の段落の意味ってこういうことかな:
- 人手不足のなか、この病院では周産期医療センターの条件を維持するため、産科医たちはかなりの超過勤務をしていた
- これはいかんと思った誰か(多分、その医師たちの誰か)が、労働基準局に相談した
- 基準局は「うん、それは労働基準法違反だから何とかしる」って是正勧告した(これには強制力がある)
- 病院側はこの強制力のある是正勧告に従わなきゃならんのだけど、それをやると今までのようには患者を受け付けることができない
- (多分)産科医が足りなくて、増員も無理 *1
- そんなわけで「ごめん、もう無理だから、総合周産期母子医療センター辞めます」ってなった
…そんなに産科医って足りないんだ…。そういえば以前、「ブラックジャックによろしく」でも小児救急の悲惨な状態が描かれていたけど。やっぱり赤ん坊や子供を相手にするお医者さんって大変なんだろうな。最近は訴訟リスクとかも上がってきてるし。
ところで、これだけセレブな病院に是正勧告が入るってんなら、もっとマイナーな他所の病院だとどうなんだろう。ってか、単にそれ、基準局に見落とされているだけなんじゃないのかっていう心配が、ぞーっと背筋を走ったよ。
- 作者: 佐藤秀峰
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2003/04/17
- メディア: コミック
- クリック: 7回
- この商品を含むブログ (30件) を見る
参考:
*1:セレブ病院だからきっと資金不足ってのはなさそうだよね