さり海馬

Thoughts walk away, blog stays.

シリコンバレーで流行る「高級茶」

ウェブ2.0で財を成した金持ちたちが選ぶ飲み物はいまや、『quad espresso』[「4倍濃い」エクスプレッソ・コーヒー]ではない。地球の裏側にある日陰の山腹で収穫された葉を、安らかな心で煎じたお茶だ。

Digg』のKevin Rose氏や、ウェブ2.0ビジネスの権威であるTimothy Ferriss氏(上の写真)のようなインターネット業界の大物は、この古代からの飲み物に惹かれている。そして進取の気性に富む小売業者たちは、彼らのあらゆるニーズを満たそうとしている。

シリコンバレーでは、高級茶が急速にブームになりつつある。高級茶専門の小売店や喫茶店ベイエリアのあちこちに出現している。サンフランシスコでは、お茶ビジネスはチャイナタウンやジャパンタウンにとどまらず、ヘイズバレーやカストロ・ストリート、サウス・オブ・マーケット(ソーマ:SOMA)にまで広がっている。

話の流れからするとどうやら流行っているのは中国茶のようです。プーアルとか木柵鉄観音とか出てきてるし。お茶はいいよね、心休まるし。

SamovarのJacobs氏は、もともとユーザー・インターフェースの技術者だった。いまはSamovarのオーナーとして、昨年だけで3つの店を開いた。Samovarの常連客は、小さなカップに入った高級茶を1杯飲むために10〜50ドル払っている。特別リッチな気分のときは、1オンス(約 28グラム)140ドルの『Mu Za Tie Quan Yin』(木柵鉄観音)などだ。

「茶筒1本当たり50ドルのお茶『玉露』? 安くはないし、万人向きではないのは確かだが、そこがカギだ。手頃な価格で良い気分になれる」と語るのは、エンジェル投資家のTimothy Ferriss氏だ。同氏はサプリメント販売会社の元オーナーだが、著書『なぜ、週4時間働くだけでお金持ちになれるのか?』(邦訳青志社)がベストセラーとなり、一躍シリコンバレーのスターになった。

むぅ、ちょっと既視感が。

  • 紅茶と違って中国茶はいいお茶なら同じ茶葉で5〜6煎ぐらい楽しめるので、「1杯飲むのに10〜50ドル」ってことはないと思うし、もし1杯しか飲んでないならもったいない話。
  • 木柵鉄観音が28グラム140ドルはいくらなんでも高杉と思う。よっぽどいいお茶じゃないとここまで行かないし、そういうお茶はあんまり台湾から外に出ないから、商業ベースには乗せにくいんじゃ?
  • 茶筒1本あたり50ドルの玉露は決して高くない。むしろ「高級」を謳う部類なら安い方なんじゃん?

あと、これは狭い了見の話だし、数年前に日本人も同じことをやってきたのであまり言えた筋合いじゃないのですが、アメリカ人の間で流行ると茶の値段がバカみたいに上がっちゃうんじゃないかと心配になります。

実はお茶(特に高級なもの)というのは重量あたりの単価が高いので通信販売向きの商品です。うまい商売ですね。高価な玉露とか、付加価値の高い商品を日本から通販するってのは割といい商売かも知れません。

でもやっぱお茶は気軽に飲めるのが一番いいなぁ、って思うんですよ。一回りしてみて。ねえ。