さり海馬

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「柳生十兵衛死す」読了

細々と続いている俺的山田風太郎祭り。今回は「柳生十兵衛死す」ですた。

冒頭から、柳生十兵衛が川原で死んでいるところから始まります。いきなりです。脳天から唐竹割りにやられて死んでいます。(特に山田風太郎宇宙では)史上最強の剣士である十兵衛を、一体誰が…。

冒頭から一気に引き込む工夫は見事だと思います。しかし、しかけにこだわるあまり、話のテンポが鈍い。他の作品に比べると、ちょっともっさりした感じが否めません。

また、剣豪同士の戦いを堪能できるかというとそうでもなく、大抵は一合で勝負が決してしまうため、大向こうから勿体つけて出てきた人が次々死んでいくだけ、という淡々とした展開になってしまっています*1

そんなわけで、私としてはこの「柳生十兵衛死す」はあまり高い評価にはなりません。同じ十兵衛なら、「柳生忍法帖」とか「魔界転生」の方がいいなぁ。

*1:いや、リアリティからすると正しいのだろうけど