さり海馬

Thoughts walk away, blog stays.

君はフィルクを知っているか

…もちろん私は知らな、かった。


アコースティック・ギタークラリネット、ブーブーと鳴るカズー[管の底に羊皮紙や薄膜を張った笛で吹くとこっけいな音がする]の音色に乗せた彼らの歌は、聴いた感じは従来のフォーク音楽によく似ている。だが、歌詞や演奏形式はフォークとは似ても似つかない。もっぱらSFやファンタジーの世界を歌の題材とするこの音楽は、フォーク(folk)ではなく「フィルク」(filk)というものだ――およそ20年前にフォークの周辺から生まれた独自のジャンルで、最近ではインターネット・ラジオやウェブを通じたダウンロード配信のおかげで注目を集めつつある。

(中略)

こうした曲が一般のテレビやラジオで放送されることはほとんどないが、インターネットやピアツーピア(P2P)の世界では人気を博している。ウェブサイト『フィルク・コム』では、フィルク関連のメーリングリストや各地のイベントを紹介するかたわら、世界で唯一のフィルク音楽専門のインターネット・ラジオ局も開設している。ここでは、ザ・キンクスの曲『ローラ』の替え歌『ヨーダ』や、ジャズの名曲『チャタヌーガ・チューチュー』の替え歌『大いなるクトゥルフのねぐら』(クトゥルフはH・P・ラブクラフトの高名な怪奇小説[『クトゥルフの呼び声』邦訳は東京創元社刊の全集に収録]に登場する神、およびその小説世界から派生した架空の神話体系の名前)などを聴くことができる。

いわゆる「マッドソング」みたいなもんか? でも真っ先に私が思い浮かべたのは、「くちゃい猫ちゃん」の歌だった。

フレンズII TV ― オリジナル・サウンドトラック

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