さり海馬

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前にも観たことがある。でも自分が合気道を始めてから見直してみたら、何か違った感想が得られるかなと思って。

ものすごく乱暴に略すと、事故で半身不随になって世を拗ねていた元ボクサーが、いろいろな人々や合気柔術と出会って再び人生と向かい合おうとする話*1。監督の天願大介は故・今村昌平の長男。

最初に見たときには、「そうは言ってもやっぱ車椅子は無理じゃね?」とか思っていた。でも、今実際に自分が合気道を齧ってから見ると、「重心が上下動しないし、場合によっては水平方向移動速度や距離、回転速度では二足よりも有利。全般的な話はともかく、特定の技では車椅子の方が有利なこともあるかも…」と思える。

もともと合気道には「座技(ざぎ/すわりわざ)」という型があって、座ったままの状態で相手を投げる。車椅子の合気は常にこの座技であるとみているようだ。足腰の動きが投げの要になるが、この映画ではその代用として車椅子を動かすことで対応している。乱暴な言い方をすると、合気道の型というのは相手を崩すための定石に過ぎない*2ので、具体的な技法は究極的にはあまり問題じゃないのかも。

今見てみると、漫画「リアル」がこの映画と非常によく似た構成をとっていることにも驚いた。

*1:車椅子でも合気はできる。この映画にはモデルがいて、デンマークのオーレ・キングストン・ジャンセンという人。自動車事故で下半身不随になったが、大東流合気柔術で四段を修めている

*2:達人の動きとかを観てるとよくわかる