さり海馬

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オンラインゲーム上のアイテムは資産なのか?


ジャーナリストでオンラインゲーム「Ultima Online」の熱狂的ファンであるJulian Dibbellは2年前、極めて公共性の高い挑戦を行った。

Dibbellは当時のブログの中で、「2004年4月15日に、私は、自分の主な収入源が仮想グッズの売上であることを米国税庁(IRS)に正直に報告する」とし、さらに、「毎月、仮想グッズ販売により、プロのライターとして過去に得たことのない高額の収入を得ていることも報告する」と記している。

同氏は以前、オンラインファンタジーゲーム「Ultima Online」の中で集めた武器や通貨などのグッズを現実世界の他のプレイヤーに販売することで利益を得られると考えていること、および、その事実を IRSに報告したいと考えていることの2点を公言していた。しかし結局、同氏の個人的な挑戦は中途半端な形で終わってしまった。実は、彼の執筆業の収入が仮想グッズ販売の売上収入を上回ってしまったのだ。

RMT(Real Money Trade)というものがあります。これは上で書いてあるように、「オンラインゲームなどで得られるゲーム上のアイテムを、現実のお金で買う取引」です。上の彼は、主にそうした手段で生計を立てていたわけです。

実はこのRMT、先ほどぐぐってみて分かったのですが、韓国や中国ではかなり一般的に行われているようです。ITMediaの記事によると、韓国ではその市場規模は2005年の時点で1兆ウォン以上(約1000億円以上)になると予測されていました。凄い規模ですね。

この規模の市場で売り買いされる商品の「在庫」に対して、これを「資産」とみなすべきかどうか、という話なんでしょうが。

これってちょっとオンライントレードの株が資産か?というのと似ている気がします。もちろん株は有価証券であって、資産であるから売ったり配当を得たりすると税金がかかります。この税は「株券」にかかっているわけじゃないですから、実際にはある「権利」を持つことに対してかかっていると考えられます。

その伝で行くと、仮想アイテムにも、そのゲーム内で、とある能力を発揮する「権利」を持つこと、という意味があるため、それを取引可能な公共性のある市場が成立している時点で、それは有価証券と同等とみなすこともできそうな気がします。

ここでさらにぐぐって、簿記関係のサイトを見たところ、「無形固定資産」という概念があることが分かりました。特許権、商標権などの無形の権利がこれに当るそうで、建物や土地などの有形固定資産と同様に減価償却を行うものなのだそうです。どちらかというと有価証券よりこっちの方が扱いやすいのかしらん。でも償却するっていっても、ネット上のアイテムって、耐用年数をどうやって決めるんだろう(笑)。

…という具合なんですが。それを考えていくと、なんだか間抜けな世界が待っているような気がします。例えば:

  • 以前《オルシオン・マスク》を拾ったんだけど、ダブったんで半年ぐらい前にRMTで一つ売ったんだよね。レアアイテムだったからずいぶん高く売れたんだけど。そしたらさぁ、なんか税務署から課税のお知らせがきちゃったの。しょんぼり。
  • 三年前に買った《浄化の剣》。今はもう使っていないんで捨てようかと思うんだけど、これ、資産なんだよね。えーと、簿価いくらだ? げげっ、除却にお金かかるんじゃん。
  • スロール市にある家なんだけど、そろそろ手放そうかなぁと。最近の狩場がイオポス市周辺だし、あんまり使ってないからね。それにこのところの土地バブルで、評価額があがっちゃって、固定資産税だけでもバカにならないのよ。

…楽しくないよ、全然 orz。