さり海馬

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シッコ

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アメリカの医療保険制度の問題を描く、マイケル・ムーアの作品。

外国の医療保障制度

ドイツは世界で初めて公的医療保険制度を導入した国として知られるが、西欧の先進諸国では、加入者の範囲や保険料の高低、税金の投入率等は様々であるがほとんどの国で公的医療保険制度がある。 先進国で例外的なのがアメリカとイギリスである。アメリカ合衆国の公的医療保険制度はメディケアと呼ばれる高齢者対象の制度で、高齢者以外は自由診療である。そのため、医療費の窓口負担は非常に高額で、多くの国民は民間保険会社の医療保険に加入しているが、加入者でさえ医療費による破産が多い。また、医療保険未加入者は4000万人以上である。イギリスはNHS(国民保健サービス)と呼ばれる租税を財源とした医療制度を実施しており、社会保険ではないのが特徴である。

っていう、「どうしてアメリカ人だけこんな目に遭わなきゃならんのだ」「それは医療保険会社が加入者を食い物にしているからだ」的なお話。引き合いに出されているのは、イギリス、フランス、そしてキューバ。どれも基本的な医療費が無料になるシステムを国が持っている国々だ。

アメリカって大変だなぁ、って思う。日本の話は出てこないけど、あんまり医療のシステムを民間任せにしすぎるのは問題だな、と直感的に思う*1

*1:ここらへんがマイケル・ムーアの映画の怖いところ。その医療にかかる財源の話はサラッと終わらせているあたり。貧しい人の病気に掛かる金を、金持ちが負担する、という社会形態を許容できるかという問題提起はしているけど、感情論とそれを実装する数字の問題は別に、きっちりしなきゃならんと思う。彼ならその論を立てることが出来たはずだ。多分確信犯的にオミットしてるんだろうけど。