さり海馬

Thoughts walk away, blog stays.

Vehicle Control for Dummies:01 機器と認証

Network

Photo by Alina Grubnyak on Unsplash

はじめに

"VC4D: Vehicle Control for Dummies"はシャドウラン 5th Editionでのヴィークル制御関連の説明をする記事です。

今回は第01回ということで、マトリックス機器と認証について説明します。ヴィークルの制御とかそういうリガーっぽい話をする前に、まずはその基礎となるお話をさせてください。「そんなの知ってるよ!」という方も、軽くおさらいだけしときましょう。

質問、指摘事項などありましたら、コメント欄へお願いします。

マトリックス機器と認証

マトリックス上に存在する機器は、その機能を使おうとするユーザーに対して、何らかの形で認証(=相手が何者なのかを確認すること)をします。

2075年の世界では、ほとんどのヴィークルやドローンもワイアレス接続機能を持っていてマトリックスに繋げられるので、この「マトリックス上に存在する機器」に該当します。

マトリックス上の機器は、各々が認証したユーザーの権限に基づいて機能の一部または全部を提供します。必要な権限を持たないユーザーには使えない機能(≒できないマトリックス動作)があります。

認証と権限とマーク

ある機器で認証を行ったユーザーは、その機器上に権限の強さを表すマーク(MARK:Matrix Authentication Recognition Key)を1個~3個持ちます。数が多い方が強い権限です(→SR5, p. 237『マトリックス識別キー(マーク)』)。

また、マークで得られる権限とは別に、機器の所有者が持つ所有者権限というものがあります。これはもっとも強い権限で、マークで言うなら4個相当になります。

この持っている個数に応じて、できることとできないことが決まってきます。いろいろと細かい設定はあるのですが、大まかに言って重要なのは、4個相当、3個、2個以下という区分になります。下位の権限でできることは上位の権限でもできます。

このテキストでは、おおざっぱに以下のように権限を分けます。

  • 所有者権限 (マーク4個相当)
  • パワーユーザー権限(マーク3個)
  • それ以下の権限(マーク2個以下)

 それぞれについて、以下で説明します。

所有者権限(マーク4個相当)

その機器の所有者であり、その機器でできることなら何でもできます。ある機器の所有者権限を持てるのは一人だけです。

所有者は、自身が持つ所有者権限を自分の意志で別の誰かに譲ることができます。譲った相手が新しい所有者となり、自分は所有者権限を失います。この作業には分単位の時間がかかりますが、特に工具などは必要ありません(→SR5, p.238『オーナー』)。

その機器が手元にあり、必要な工具が揃っている場合、所有者でない者がハードウェア的な手段でその機器の所有者権限を書き換えることができます。この作業は〈ハードウェア〉の継続テストになり、時間単位の比較的長い時間を要します(し、当然違法です)(→同上)。

前に言ったように、所有者権限はマークではありません。あくまでそれ相当の高い権限だというだけです。機器を再起動すると消えてしまうマークとは違い、所有者権限は再起動しても消えたりしません。

ルールでは定められていませんが、通常の手段で入手する場合、機器の所有者権限の書き換えはその買った場所でやってもらえるものと考えてよいでしょう。盗品を買うなどの不正な手段の場合は必ずしもそれが保証されそうにありませんが、そのあたりはGMと相談して決めてください。

パワーユーザー権限(マーク3個)

※注意:「パワーユーザー」という用語はルールブックにはありません。説明の都合上、私が勝手にそう呼んでるだけです。ご注意ください。

所有者に次ぐ高さの権限を持つユーザーです。その機器でたいていのことはできます。その機器で複雑な動作をしようとすれば、この権限が必要になります。リガーのジャンプインなどにもこれが必要です。(→SR5, p.238 『マトリックス動作』)。

この権限を得るためには、所有者から「マークを招待する」のマトリックス動作で必要な数のマークを付けさせてもらうか、ハッキングなどの不正な手段でマークを獲得するか、どちらかの方法をとることになります。

(ただ、もしあなたがハッカーでないなら、ハッキングでマークを獲得するのは事実上ムリだと考えるべきでしょう)

なお、所有者権限とは異なり、マークを他者に譲ったり、ハードウェア的な手段で書き換えることはできません。また、一度付けたマークは、その機器が再起動すると消えてしまいます(→SR5, p. 237『マトリックス識別キー(マーク)』のp.238)。

それ以下のユーザー権限(マーク2個以下)

おおざっぱな言い方ですみませんが、あまり大したことのできない権限です。全く無意味という訳ではありませんが、できることが相当に制限されます。何ができるかを知りたければ、SR5 の p.238 『マトリックス動作』をざっと眺めてみてください。

この権限を得る方法も、前述のパワーユーザー権限と同様です。

まとめ

  • ヴィークルもドローンも機器である
  • 機器を使うには権限がいる
  • 権限には強弱があり、それによってできることも違う
  • 管理者権限は最強で特別>パワーユーザー>それ以下

次回予告

次回は、今回説明した内容を踏まえて、もうちょっとリガー寄り(でもまだリガーの話にはならないのですが)の、ヴィークルを制御する方法の違いについて説明する予定です。

 でわでわ。