Unwired がぜんぜん未来じゃない件
Unwired: A Shadowrun Core Rulebook (Shadowrun (Catalyst Hardcover))
- 作者: Catalyst Game Labs
- 出版社/メーカー: Catalyst Game Labs
- 発売日: 2008/10/08
- メディア: ハードカバー
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Shadowrun のサプリメント Unwired を読んでいます。シャドウランについてはまぁキーワードリンクを読んでもらうとして。Unwired は2070年の全世界的なネットワークを舞台に(もちろん非合法的に)活躍するハッカーたちのことが書かれているサプリなわけですが。
当然未来とかフィクションを感じさせるものも沢山載ってます:
- 仮想現実(VR)と強化現実(AR)ベースのネットワークが一般人の日常
- テクノマンサー(生身でネットアクセスできる変態(笑))
- あいまいな命令でもそれなりに解釈して仕事をこなしてくれる agent
- 人間を超えかねない人工知性である AI が存在し、人権を手に入れたり、ミサイル衛星を乗っ取って人類を脅したり、さらに別の AI がそれをとりなしたり
- ネット上に存在する謎の神秘的存在や現象 paragon, stream, deep resonance, resonance well...etc
などなど。魅力的ではあります。
でもそれ以外の部分が、ぜんぜん未来っぽくありません:
- 敵のコンピューターを動作不能に追い込む手段の一つが DDoS
- そのための準備として脆弱性のあるコンピューターをネットワーク上で探す方法が Mass Probe (ポートスキャンもその一種)
- 脆弱性をアタックするための方法が ウイルス添付のspam attack やトロイの木馬やsocial attack
- 脆弱性のあるコンピューターに入り込んで、複数連携させるための手段がボットネット
- 相手の自律動作プログラムをだますための手法が、自らのコンピューターのIDを相手のものに偽装したプロトコルを投げつけることである Spoofing(なりすまし)
どれも現存のものばかりです。未来のネットワークの話というよりも、なんだか現代のセキュリティの解説書を読まされているような、複雑な気持ちになりました。