「デフォルトが大盛り」の恐怖
いや、「でぶや」の話じゃなくて(笑)
- 出版社/メーカー: TCエンタテインメント
- 発売日: 2005/07/08
- メディア: DVD
- 購入: 1人 クリック: 63回
- この商品を含むブログ (419件) を見る
一ヶ月の間、三食ずーっとマクドナルドで食べ続けたらどうなるのか? という思い付きを、監督自身が実行に移したドキュメンタリー。
最初はヘラヘラ笑いながら「バカだなぁ」とか思いつつ見ていられるんだけど、映画が後半に差し掛かって、彼が太り始め、検査数値が雪崩を打って悪い方向へと向かい続けるにつれて、「おい、(頼むから)その辺でやめとけよ」と言いたくなる、ある種のホラー感すら漂う。
あと注目すべきは、彼の心理的な変化。同じような食事を続けるにつれて、彼の表情がどんよりしていくのが画面から明らかにわかる。その上、最初は「胃がつらい」と訴え続けていたのに、最後のほうには「食べると落ち着く」とか言い出す。なんだか薬物中毒を思わせる。
彼のそうした様子を写すシーンと、現在のアメリカの肥満者数の増加や、食品業界の我田引水ぶりなんかを描いたシーンとが交互に写される構成になっている。肥満者の数が多い数と、ファーストフードで「スーパーサイズにしますか?」とデフォルトで尋ねられる店数との間に相関があるという調査結果はちょっと面白かった*1
この映画は面白い。ただ「ジャッカス」みたいな馬鹿ドキュメンタリーを期待している人は、やめといた方がいい。確かに面白いけど、それはむしろ「ボウリング・フォー・コロンバイン」みたいな、そっちの面白さだ。
*1:この映画では「自分ルール」が定められていて、その中のひとつに『「スーパーサイズにするか?」と尋ねられたら断ってはいけない』というものがあった。彼は全米を移動しながら、毎日マック食を続けたのだ