さり海馬

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Shadowrun, Fifth Edition―The Next Step

Shadowrun 5th の開発方針についての記事があったので、ちょいと訳して掲載してみます。誤訳とかあったらごめんよ。


シャドウラン 5th Edition : 次のステップ
By jhardy | Published: 2013/1/15

シャドウラン開発チームがカタリスト・ゲームラボの秘密本部(シアトル近郊にある、とある居心地のいい居間のことだよ、うん)に集結し、シャドウラン 5th Edition について、最初に答えるべき疑問を話し合った。その疑問とは「なぜ?」だ。答えはシンプルだ。「僕らがやりたいから」ただ、そこから先の疑問はちょっと複雑になってくる。

こんな風に:新しい版の目標となる大原則は何か? これは難題だった。ソーダがいっぱいに入った冷蔵庫が用意してあってよかったと思ったね。僕らの考えはこんな感じだ:

僕らはシャドウラン 4th エディションが好きだ。4e でいろいろ変えたことは正しかったと僕らは思っている。ルールは以前よりも見通しが良くなって、使いやすくなった。ダイスプールは基本的に【能力値】+〈技能〉で求められるようにしたものいい。ダイスのターゲットナンバーを固定値にした*1のもいい。その他色々ないいことがあった。この 4e の強みはそのまま残すことに決めようと思ったんだ。

何事にも代償は付き物だ。僕らがシャドウランについて議論していくうちに、シャドウランナーが直面している核心的な命題が驚くほどはっきりとしてきた。それは、彼らのあらゆる行動には、常に何らかのトレードオフが付いて回る、ということだ。彼らは企業勤めの安全やセキュリティの代わりに、自立した自由な生活を手に入れている。一発大穴を当てるために命を危険にさらしている。自分をより良く、強く、素早くしてくれる最先端の装備を手に入れるために、魂を切り売りしている。こうした選択は最終的には利益をもたらしてはくれるが、そのすべてに代償が必要だ。これはルールに反映されるべきだ。ランナーは自分が求める利益を手に入れることが可能であるべきだ――ただし、それに見合う代償を支払うのならば、だが。無料で手に入るものがあってはならない。

プレイヤーはヒーローだ。プレイヤー・キャラクターの成功は、彼らが何者になり、何ができるようになるのか――キャラクターの核となる能力値や、血眼になって伸ばそうとする技能ー―それに繋がっているべきだ。彼らが振れるダイスは、可能な限りそこから得るべきだ。僕らがプロットやシナリオを考える時、誰かの書いた物語に沿ってプレイすることではなく、シャドウランナーがどれだけスゴイことをなしとげられるか、そこに力を注ぐべきだ。

サイバーパンクを盛り上げよう。シャドウランのスタート地点となったサイバーパンクを、僕らは愛している。だが今では、サイバーパンクが最初に根付いた時からすると、かなり多くのことが変わっている。確かにこのジャンルを表す言葉は多少、時代遅れになってしまったが、その中にはまだ、心に響くものが残されている。たとえば、権威に対する不信。非人間的な組織と個人との闘争。道具であると同時に脅威でもあるテクノロジー。最後にひと欠片だけ残った魂で戦って生き延びねばならないディストピア的世界。こういう雰囲気をルールや設定に反映させたいと僕らは思っている。

派手に行こう。シャドウランニングは危険で困難なものであるべきだが、それと同時に、プレイヤーたちには不可能や離れ業を可能にするチャンスが残されていなければならない。プレイしている全員に、驚きや興奮、時には落胆を味わわせるような、そんなダイスロールがあるべきだ。何年も後になって語られる物語の元になるのは、そんなロールなんだ。危険でクレイジーだがうまくいくかも知れないことを試してみようと思うなら、そういうことを手助けするようなルールであるべきだ。

これが今度の狙いになる。さて、どうやって実装しようか。それは今後、このブログでポストしていくことになる。僕らがどの程度うまくやったかって? それは君たちが判断するんだよ!

だいたい要約すると「4eをベースにした」「利点には代償がつきもの」で「ヒロイックでドラマチックな展開」が可能なルールと設定。それを目指すって感じですね。

*1:5以上の出目がヒット、と決めたこと。それ以前の版ではヒットになる出目が可変だった