さり海馬

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Shadowrun 5th Edition 無料プレビュー#4 公開中 - 解説3:移動


移動

SR5の移動ルールの道具立ては、一見するとSR4と似ています。ただし、移動の取り扱い方法自体は、根っこのところで大きく変更されていると考えていいかも知れません。

ではまず、SR4と変わらない箇所を書いてみます。

  • 移動力は1戦闘ターン単位で定義されている
  • キャラクターは、歩行、走行、全力疾走の3つの移動モードを持つ*1

です。一方、SR4と違う点で、分かりやすい箇所を先に書いておきましょう。

  1. 移動力は、メタタイプと各人の敏捷力によって決まる(同じメタタイプでも同値になるとは限らない)
  2. 全力疾走は「(他のあらゆる行動を捨てて)可能な限り速く移動しようとする行為」と定義され、単純動作(SR4)ではなく複雑動作を消費するようになった。また、テストのヒット数ごとに移動距離が伸びるのはSR4と一緒だが、メタタイプによって伸び率が異なる。
メタタイプ 歩行 走行 全力疾走
ドワーフトロール 敏捷力×2 敏捷力×4 +1/ヒット
エルフ、ヒューマン、オーク 敏捷力×2 敏捷力×4 +2/ヒット

単位は(m/戦闘ターン)。

移動モードの扱いついて

さて、SR4とSR5では大きく変わっている箇所。それが移動モードの扱いについてです。

SR4 では、キャラクターは行動フェイズごとに自分の移動モードを「指定」します。そして次の自分の行動フェイズが回ってくるまで、そのモードで移動しているとして扱われます。

しかし、移動力はターン単位で定義されているのに、行動フェイズごとにキャラクターが移動モードを宣言してしまうので、移動距離の管理が事実上困難でした。実はこの辺の扱いはSR4のルールの穴といって良い箇所で、フェイズ単位できちんと移動距離の管理をするのは難しかったのです。

一方SR5では、キャラクターの移動モードは、「ターン内に移動する距離の累計」で「決まり」ます。敏捷力5のキャラクターの歩行移動力は10ですが、ターン内に3回のイニシアティブ・パスがあるとして、12m先の目的地にそれぞれの行動フェイズで8m、2m、2mと移動したら、最後の1ターンだけ走行したことになります。

そして、走行モードかどうかは、そのターンの累積移動距離が歩行移動力を超えているかどうかで判断しますので、一度走行モードに入ったら、それ以降の行動フェイズでも走行モードのままです。ですから、8m、4m、0mと移動した場合、2フェイズ目で移動力を超えていますから、2フェイズ目だけでなく、その後の3フェイズ目も走行しているものとして扱います。

SR5の方が、行動フェイズごとの移動距離管理はしやすくなっていますね。

さて、今回はここまで。次は「行動フェイズ」について。

*1:正確には、全力疾走は走行の一形態なので、厳密な意味では移動モードではありませんが、簡便のため、こう書きます