さり海馬

Thoughts walk away, blog stays.

翻訳メモリ「OmegaT」をインストールしてみた

なかなかイイ感じですが、

  • 少々動作がもっさりしている(Java ベースだから仕方ないか)*1
  • 用語集(グロッサリ)の即時編集ができない

という欠点があります。

特に2番目は、翻訳を始める前に訳語を決定しておく必要がある、という制限です。用語集を編集した場合、OmegaTをブートしなおさなければなりません。これは行き当たりばったりで作業を始める傾向の強い俺には厳しい制限になります。

フリーの翻訳メモリには他にも Isometory というのがあるそうなので、そっちも試してみようかと思います。

翻訳メモリとは

翻訳メモリというのは翻訳そのものをやってくれる「翻訳ソフト」ではなく、人間がやる翻訳作業を支援するための「翻訳支援ソフト」というべきものです。

人間が翻訳作業をやるときにはだいたい:

  1. 原文を読む
  2. 分からない単語は辞書で引く
  3. 文の意味を読み取る
  4. 日本語に置き換える
  5. 書く

という作業があるわけですが、翻訳メモリはこのうち、「分からない単語を辞書で引く」と「日本語に置き換える」を手伝ってくれます。

「分からない単語を辞書で引く」は、「用語集(グロッサリ)」というものが助けてくれます。これは、以前に調べた単語を一覧表として持っていて、これをいちいち表示してくれるようになっています。

「日本語に置き換える」は、「過去の翻訳結果」を表示して助けてくれます。現在の原文について分析を行い、それと近いと思われる過去の原文と、その訳文(自分が作成したもの)を表示してくれるのです。これを使うと、過去の文章とこれから訳す文章との統一が取りやすくなるのです。この機能が一番生きるのは、技術文書などの「似たような文が繰り返される」タイプの文書で、RPGのルールブックなんかは、まさにこれに当たります。

この二つを手がかりにして、より質の良い訳文を作るのを支援してくれるのがこの「翻訳メモリ」ということになります。

*1:Let's Note CF-W5 512MB, WinXP SP3