さり海馬

Thoughts walk away, blog stays.

SR5:戦術と反動とシングルショット・ガン

お久しぶりです。

今回からしばらく、SR5についての記事をいくつか、書き込みたいと思います。最初は他力本願(笑)で、他のブログ記事の翻訳紹介で。

Tactics, Recoil, and Single-Shot Guns | Running the Shadows の翻訳記事です。原文は←のリンクからどうぞ。

SR5で射撃戦闘に関わるルール変更がいくつかありましたが、ここではその中でも「反動の持ち越し Progressive Recoil」について、その意味を解説してくれています。変更内容としてはそれほど派手なものではありませんが、その意味するところはかなり大きいです。

では、どぞ。

戦術と反動とシングルショット・ガン

この記事を投稿するまでに結構時間をかけたのだけれど、その理由はおおよそ、自分の目の前にあるものを、うまく説明する方法を考えていたから。それに、5版での戦闘ルール変更を、4版をプレイしたことのない人たちに、4版の説明を改めてやり直さず説明したかったからだ。

でも、結局あきらめた。5版の新しいシステムを説明する前に、4版の説明を入れることにしたんだ。

まず、4版での戦闘がどんなものだったか、そこから説明しよう。ぶっちゃけ、酷いものだったんだけど。シャドウランの戦闘というものは普通、どれだけたくさんの鉛弾をばら撒けるか、ということに終始する。4版ではとても簡単だった。第一に、シングルショットのライフルは決して使われない。まったく無意味だからだ。ミニガンは例外としたけど(なぜミニガンがシングルショット扱いなのか、よく分からないけどね)。とにかく、セミオートの銃が使えるのに、わざわざシングルショットを選ぶ理由はない。1戦闘ターンあたり2発と1発の違いがあるんだから。

また、大きな銃器でも同じようなこと起こる。フルオートのライフルを持ったキャラクターにお目にかかることはない。なぜなら、反動のペナルティーがきつすぎて扱いきれないからだ。僕のゲームでもフルオートの武器を使うことはあるけれど、それも制圧射撃だけだ。つまり、僕自身や僕の仲間内では、セミオートかバーストの銃しか使わないし、それに反動のペナルティを何とかするための装備が山ほどつけてあるということなんだ。これはルール的には「正しい」んだが、楽しいかというと決してそんなことはない。銃にはさまざまなバラエティがあるけれど、それよりも安いとか、撃ちやすいとか、命中率の高い選択肢があるから、そっちには誰も見向きもしないんだよね。

さて、5版になってルールが変更になると、射撃戦闘についての定石にも影響が出た。まず、「反動の持ち越し Progressive Recoil 」について見てみよう。

非常にシンプルなルール変更だが、影響はとても大きい。「反動の持ち越し」ルールでは、反動補正が戦闘ターンを超えて次のターンに持ちこされる、と書いてある。ちょっと考えてみれば、これが筋の通ったルールであることは分かる。ライフルや拳銃を撃った経験があれば理解できるけれど、撃っているとやがて銃は暴れだす。「反動の持ち越し」はそれを反映していて、僕はいいルールだと思う。4版では、戦闘ターンの合間に全員がいったん止まって一息ついている。戦闘はターンからターンへとずっと続いているのだから、それはちょっとおかしいよね。

「反動の持ち越し」の余波として、戦闘ルールには小さいながらも破壊的な違いが生まれる。まず、1戦闘ラウンドに攻撃できるのは1回だけ。1回だけだ。つまり、シングルショットのライフルは1ラウンドに1回発射するか、セミオートのピストルで1単純動作で1回(要はシングルショットの銃と同じってことだよね)か、1複雑動作で3回発射するか、ということだ。これはいい。ばら撒ける弾丸の数は4版よりも多い。だが、「反動の持ち越し」のルールのおかげで、セミオートの銃で3点バーストの反動は次のターンに持ちこされる。もう1度3点バーストをすれば、6発分の反動に対処しなければならない。これはヤバい。バースト射撃はさらにひどくて、通常の3点バーストは単純動作だけれども、複雑動作を使えば3点バーストを2回できる。その場合、次のターンに持ちこされる反動は6発分だ。フルオートの銃は1単純動作で6発発射するが、フルオートにして10発発射したらどうなるんだ!

戦術的に見て、これはどういう意味を持つだろうか? そうだな。遮蔽物の陰に身を隠して、毎ターンごとに弾丸をばら撒き、命中するのを期待する、というやり方はもう通用しない。いったん手を止め、状況に合わせ、狙いをつけ、「反動の持ち越し」を防ぐためにできるだけ弾数を絞って撃つ、ことが必要になる。大柄なキャラクターや三脚つき銃器や固定銃器なら、ペナルティに耐えて弾丸をばら撒くこともできるだろうし、そうあるべきだ。だが、普通のランナーなら、そのプレイヤーは選択肢を吟味する必要がある。このターンにバーストして次のターンで反動を何とかするか、それともシングルショットで済ませてもっと良い場所に移動するか? 次の弾丸を撃つ前に「狙いをつける」動作をして、反動が累積するのを防ぐか? 4版の時代にもこういう判断をする場面はあった。でも、銃を撃ち、そのまま撃ち続けるのが比較的容易だったので、実際に考えることはあまりなかったんだ。

カタリスト、グッジョブ。本当にグッジョブだよ。

この記事にもらったコメントの中に気になるものが2つあった。ひとつは、シングルショットの銃は「反動の持ち越し」の対象にならないということ。持ち越しは無効なんだ。おかげでシングルショットの武器、特にライフルは非常に便利なものになっている。

もう一つは、すべてのキャラクターは1点分の反動補正ポイントを最初から持っていて、それに加えて【筋力】÷3(切り上げ)点分の追加反動補正ポイントがもらえる、ということ。つまり、【筋力】に優れたトロールは体格で劣るヒューマンなどよりも「反動の持ち越し」に対処しやすいということだ。

Posted by Christopher Corp-Myer at 1:56 PM